玄武岩 著
パイチャゼ・スヴェトラナ 著
後藤 悠樹 写真
四六判・256頁
2016/04/01 発売
ISBN 978-4-87498-593-9
サハリンは、かつて日本が領有した時代に「樺太(からふと)」と呼ばれ、戦後はソ連に編入された、帝国主義国の最前線の地。
日本時代、樺太には林業・炭鉱・製紙業など35万人余りの日本人、2万人余りの朝鮮人(当時は日本人)が住んでいました。そして、日本の敗戦と同時に朝鮮人には国籍がなくなってしまいました。日本政府が、一方的に朝鮮半島出身者の日本国籍をはく奪したのです。
ソビエト支配下の樺太から日本に引き揚げが行われました。しかし、日本国籍を有する者だけが対象でした。この時、家族をどうするのかが問われました。朝鮮半島出身者と結婚していた人は選択を迫られたのです。当時は日本人同士ですから、その割合も多かったのです。
そんな10家族の物語です。それぞれの家族は困難を乗り越え、日本・韓国・ロシアで家庭、家族を築いています。
「残留」当事者だけではなく、各世代によって、さまざまな選択と文化的なアイデンティティを持つ、文字通りトランスナショナル(=国境を越える)な生活世界を築き上げてきた人びとの物語。
歴史と国家に翻弄されながらも生き続ける家族の物語から、国家と戦争の悲劇を知っていただきたいと思います。